最近舌下免疫療法にて当院に通院している方から歯科治療についての相談を受けまして、気になる人が他にもいるかなと思い、こちらに記載しておきます。

 今年の5月に日本小児歯科学会が「舌下免疫療法中の小児歯科治療について」という記事をだしました。

 簡単にまとめると、舌下免疫療法治療中のお子様が歯科治療を受けるときにはアレルギー反応がでることがあるので気をつけてね、ということが書いてあります。

 それを受けてなのかどうかはわかりませんが、「舌下免疫療法」「歯科治療」と検索するといろんな歯科で注意喚起がなされています。

 舌下免疫療法の薬のメーカーである鳥居薬品からも注意事項として「抜歯などの歯科治療後や口の中に傷や炎症がある場合の投薬は注意するように」との記載があります。口の中に傷があると、傷のところから薬の吸収が早くなり、アレルギー反応がでやすくなるので注意するようにということです。

 具体的にどのように対応するのか、などについてはどこにも書いてなくて、主治医の指示に従うように、となっています。

 ということで、以下は私の考えなので、当院通院中の方々はこのように対応いただけるとよいかと思います。

①歯科治療前の休薬は原則必要ありません。治療当日も朝なら投薬可です。

②抜歯など口の中に傷ができる処置後は傷の具合に応じて5日から1週間程度休薬してもらってかまいません。口の中の傷は治りが早いので、痛み・出血が落ち着けば治療再開してもらって大丈夫です。

③2週間以内の休薬であればそのまま維持量を通常通りのやり方で再開してもらってかまいません。2週間以上間隔が開いてしまうようであればご相談ください。

④治療再開時にアレルギー症状があればご連絡ください。

 今までに舌下免疫療法を行っている人が歯科治療をして窒息やアナフィラキシーなどの重篤なアレルギーがでたという報告はありません。

 ただし、口のかゆみや腫れなどの比較的軽度なアレルギーがでたという報告はありますので、注意は必要です。

 大切なことは正確な情報を知ることかと思います。

 歯科治療も舌下免疫療法もどちらも大事な治療です。副反応を恐れて、歯科治療ができない、舌下免疫療法を止めてしまって再開できない、となってしまってはいけないかな、と思います。

 この情報がお困りの際の一助になれば幸いですし、何か他にお困りのことがあればご相談くださいね。